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その学園はどこか普通とは違っていた。

赤香に染まる空の下、活気に溢れた声が学園内に響く。それは限られた時の中での青春を謳歌するかのごとく---
しかし、そんな青春がある一方で暗く濁った正義を掲げる者たちも居る。

某日某所、そこでは秘密の会合が行われていた。
夜の帳が刻一刻と下る最中、息を潜めていた獣達が今か今かと待ち構えている。
それは電灯すら点いていない暗い部屋、それは全身を黒のローブで纏い、それは声高らかに宣言する。

「時は満ちた、我らが同士よ!そう・・・愚かしき者どもに我らが存在を知らしめる時が!!」
透き通る声はその場に居る者たちに染み渡り、徐々に熱を帯びさせる。その熱が全身に行き渡った時、沸き起こるは歓呼の叫び。
ある者は涙しながら、ある者は秘めた憤りを吐き出すように、だが一様にその眼差しには力があった。

「だがその前に一つ、キミ達に頼みたい事がある。明日、この学園に転入してくる少女を連れて来てもらいたい。」
「その役目、この私に・・・」

ざわつく群衆の中から姿を現したのは一人の少女。その部屋には似つかなく何事にも染まらないと誇示するかのような白衣と色白な肌は、その僅かに光の差す暗く濁った部屋にて一際咲く。

「ふむ、保健室の悪魔とまで呼ばれたキミなら良い報告が聞けそうだ。」
「お任せください、彼の者を必ずや連れてきましょう。」


時は、歯車は、静かに、静かに回り始めた。

これは少女の物語。
これは語られる事の無かったもう一つのお話。



「ここが銀誓館、これから私の通う場所・・・か。」
春も過ぎ、梅雨が近づきつつあるこの時期に少女は学園に訪れる。


さあ、紐解こう。


「ようやく役者が揃いますね。連れてこれますか?」
「任せて下さい。」


少女の---


「彼女に任せてよかったのか?」
「連れてくるなら良し、倒れれば我が手を汚す事も無かろう?」


---記録を。

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プロフィール
HN:
桐嶋千怜
性別:
女性
職業:
霊媒士
趣味:
惰眠
自己紹介:
私はわがままですよ?
そしてさぼてんラブです。

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 この作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、桐嶋千怜が作成を依頼したものです。
 イラストの使用権は桐嶋千怜に、著作権は東原史真に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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